ココロのオオウラ

ADHDとメンタル、障害者雇用の話

障害者雇用、事務職ばっかり問題

問題の多い障害者雇用

 
障害者手帳を持っていると応募できる、障害者雇用枠。一般雇用枠しか応募できない健常者と比べて選択肢が広がるわけだから、迷わず応募しよう!となるはずだが、精神障害者、とりわけADHDの場合はそう簡単にはいかない。見た目は健常者と変わらないのをいいことに、一般雇用枠で採用され、健常者に擬態するケースがほとんどだ。
 
私は今でこそ障害者雇用枠で雇われているが、転職活動の際一般雇用枠も並行して応募していたし、両方から内定をもらって、どちらに進むか最後まで悩んだ。最終的に障害者雇用枠を選んだのは、今の会社の障害者雇用枠が一般雇用枠の待遇と全く変わらなかったこと、「残業しないでゆっくり仕事を覚えればよい、そのためのサポートはする」という申し出を人事担当者から引き出せたことで、今後仮に一般雇用枠に復帰するとしてもキャリアの妨げにはならないと判断したからである。
 
逆に言うと、ここまでうまくいかなければ、健常者に擬態する道を選んでいた、ということだ。障害者雇用枠に進むことで、今後のキャリアが断絶するのではないかという懸念は、だれでも抱くのが普通だと思う。というのも、障害者雇用という制度は、機能不全を起こしまくっているからだ。そこで、障害者雇用の問題点について、ADHDの視点から文句を言っていこうと思う。最初に書き添えておくが、一連の記事は問題解決を目的とはしていない。管理人の単なる愚痴として、「わかるー」「そうなのかー」くらいのスタンスで受け取っていただけると幸いである。
 
早速、一つ目の問題点。
 

障害者雇用、事務職ばっかり。

 
障害者雇用の求人は、事務職がほとんどだ。一般事務を中心に、採用事務、給与計算事務、ちょっと珍しいものだと法務アシスタントとか。エージェント曰く、部署でいうと人事の求人が多いらしい。障害者雇用制度を管理しているのはほとんどの場合人事だから、「手元に置いておきたい」という思惑があるのだろう。
 
また、障害者雇用の求人は少々特殊で、「オープンポジション」という求人も散見される。面接で「私はこんなことができます!」とアピールすると「こういうポジションがあるんですけどどうすか」みたいな感じで人事担当者が提案してくれるのである。ただし、どんな職種でも対象になるわけではなく、営業アシスタントとか、経理、人事などのバックオフィス業務がほとんどであった。
 

事務職に向かぬADHDの行方は

 
まあ、何となく趣旨は分かる。突発的な休みに対応できるのは、間違いなくバックオフィスだ。営業なんか行かれて急に休みなど取ろうものなら先方がびっくりするし。それに、障害者雇用は元々身体障害者を想定していたから、比較的体力を必要としない仕事が良しとされていたことも想像がつく。
 
でもね、それじゃ困るんですよ。ADHDは。だって、事務職向いてないから。
 
この記事にたどり着いた奇特な方はおそらくご存じだと思うが、ADHDの適職とされるのは、小学生がアンケートで「将来の夢」に挙げるような職業ばかりだ。デザイナー、YouTuber、教師、作家、研究者などなど。現実的な線でいうと、営業とか、マーケティング部門などが、比較的適職とされやすいだろうか。一方、管理系の仕事は几帳面さが要求されるし、評価も減点式だ。はっきり言って、バックオフィスはADHDのフィールドではない。
 
私自身、オープンポジションの求人に応募して今の会社に入ったが、前職が国税専門官だったから経理に配属されただけで、数字に強い自覚は全くないし、相変わらずミスもやらかす。自分の脳内にかすかに同居するASDっぽさを総動員して、かろうじて仕事に食らいついていけているという現状だ。前述のエージェントとの面談の際、「営業の方が向いているんじゃないですか」と言われたくらいである。自分が経理に居続けてよいのかという問題は、今でも時々私の胃を痛くする、悩みの種だ。
 

逆手に取るのもアリ

 
逆に言えば、管理系の部門に入りたくてしょうがない人にとっては、障害者雇用は利用する価値があると思う。一般雇用枠については経理と人事を中心に転職活動をしてきたが、バックオフィス部門の求人は軒並み人気で、ありつけたとしても残業時間が法外だったり、ホワイトな職場だったとしても他の応募者とスキル勝負になってしまって、お話にならないことが非常に多かった。障害者雇用の求人であれば、オープンポジションという形で経理や人事に潜り込めることがあるし、一般雇用枠では見つからない、ホワイトな職場なこともあり得る。目を凝らせばまともな年収の求人もあったりするので、精神の手帳を持っているみなさん、試してみる価値はありますよ。