ココロのオオウラ

ADHDとメンタル、障害者雇用の話

障害者雇用、年収低すぎ問題

えっ、この求人の年収、低すぎ…!?

 
障害者雇用枠の求人を一度でも見たことがある人は、思うことだろう。「年収低すぎじゃね?」と。私が障害者雇用枠で転職活動をしていた2~3年前(記憶がとてもあいまい)は、年収にして150~300万円くらいの求人がボリュームゾーンだったと思う。
 
ADHDと診断されて休職や退職を繰り返し、しんどい思いをしてなお一般雇用枠にしがみつく人が多いのも、障害者雇用枠の年収が低すぎるせいだ。この年収だと一人暮らしはできないか、ギリギリできたとしても、相当切り詰めないと生きていけない。ADHDほか精神の手帳を持っている人は親が問題を抱えている人も多いから、一人暮らしは死守したい、そうすると、障害者雇用はご遠慮願いたい、となるのは当然だと思う。
 

誤解と偏見にまみれた求人

 
障害者雇用は問題だらけの制度だが、数ある問題の中で、私はこの問題に一番憤りを感じる。障害者雇用契約社員の求人が多いが、年収的にみると普通にアルバイトとかした方がましだよね、という求人も少なくない。仕事は楽かもしれないけど。なぜこのような発想が出てくるか謎だし、まともに働きたい障害者を馬鹿にしているとしか思えない。
 
いや、少し嘘をついた。発想が全く謎なわけではない。障害者への誤解や偏見が、こんなに年収が安い求人を作り出しているのだと思う。私は運よくまともな求人に引っ掛かり、一般雇用枠だった国税専門官時代とほぼ変わらない給料をもらえているが、転職活動中は誤解や偏見と闘うのに大変苦労した。障害者に対してどんな誤解や偏見があってこんな年収事情になってしまっているのか、自分なりの考察を書いてみることにする。
 

1.障害者は全員障害年金をもらっている

 
障害者手帳を貰うと障害年金がおりるから、その分賃金は安くていいよね、という理屈のようだ。そもそも、健常者と同じ働きをしたなら同じ賃金を払うべきで、障害年金もらってるかどうかは関係ない。先方は、子育て中の社員が自治体から児童手当もらったら、給与を減額するのだろうか?しないはずである。
 
また、おそらく採用に携わる人が結構な割合で誤解しているが、障害年金は申請しないともらえないし、申請したとしても必ずもらえるとは限らない。特に発達障害に関しては実績が少ないようで、かなり緻密な作戦を練らないともらえないようだ。無慈悲!
 

2.障害者は全員実家暮らし

 
実家暮らしだから住宅手当出さなくていいし、自活できない給与でも問題ないよね、ということだろう。某チャリティー番組で見かけるような、家族に介護される身体障害者のイメージが強いのだと思う。前述したとおり、ADHDをはじめとした精神障害者毒親持ちが多く、実家が原因で手帳をもらうことになったという人も少なくない。勘違いや偏見は人を殺すので、こういった思い込みは早急に改めていただきたいところである。
 

3.障害者はやる気がない

 
障害者雇用の求人に応募する障害者は就業意欲が低い」とまことしやかに噂されているらしい。曰く、障害者雇用を利用して大手企業にノーリスクで入りたいだけなのだと。障害者雇用の求人に応募する動機として仕事の緩やかさや勤務先のネームバリューがあることは否定しようもないが(実際、そういったメリットはあると思うので)、より楽で、有名な企業に努めたいなんてのは障害者も健常者も同じく持っている欲望なのではないか。じゃなかったら、今の大学生の就職活動の問題があんなに取り沙汰されたりしないよね。
 

4.障害者は複数内定なんてもらわない

 
障害者雇用枠でとある企業の採用面接を受けたときのことだ。面接の直前に別の会社から内定をもらったので、そのことを正直に話したところ、「えっ、じゃあなんで今日面接来たんですか?」と面接官に真顔で聞かれた。いやいや、まだ内定を受諾するなんて一言も言ってねえだろ。より良いポストを得るために複数の会社の面接を受けるのは、障害者も健常者も同じなんだよ。年収の交渉だってするぞ、コノヤロー!3でも少し触れたが、障害者は自分の利益のために行動することはない、みたいな偏見がどうも根付いている気がしてならない。反吐が出たので、会社の敷地を出たとたん、この会社のことは頭から存在を消してやった。さよなら。
 

年収問題は「事前に言う」一択

 
とはいえ、目を凝らしてみると、年収400万とか500万とか、中には1000万とか、まともな額の求人も見つかるのが事実。転職エージェントを利用するなら、求人はエージェントが握ってるので、自分はお金が稼ぎたい旨、率直に伝えた方がいい。
 
私の場合は、転職エージェントとの初回面談の時点で先手を打った。実家が荒廃していて戻るのは死を意味するので、「【年収が低くても実家に戻ればいい】と言われた瞬間話は終わりにする」と断っておいたのである。それについてエージェントがどう思ったのかはわからないが、まともな求人を紹介してもらえたし、前職の経験が大したことなくても問題なく内定がもらえた。
 
ADHDをはじめ精神の手帳を持ってる皆さん。一般雇用はつらいけど、障害者雇用もな…と迷っている皆さん。一言分だけ勇気を出せば、穏やかな環境が待っているかもしれないですよ。